HANDS
お金ないんだったら、車手放せばいいのに。
「お待たせ~」
時間通りにやって来た白いセルシオに乗り込んだ。
わざわざこんな維持費かかる車に乗る考えが理解できない。
「なんでドライブなの?」
「え、いいじゃん。
どうせ暇だろ?」
失礼だな、こいつ。
「まぁ否定はできないけど」
膨れて横を向くと、カズヤは笑いながらタバコに火を点けた。
煙いから吸うなって。
すぐに窓を開ける。
生ぬるい風が入ってきて、さらにテンションが下がった。