HANDS
――で、今。
どういう訳か、あたしはリュウの部屋で寝ていたらしい。
「あ、アイコは!?」
「アイコ?ああ、コウタとどっか消えたよ」
まじですか。
「で、なんであたしはココに居るの?」
ベッドに起き上がったままの体勢で、質問攻めにしてしまう。
リュウは面倒臭そうに答える。
「お前が酔いつぶれたから、仕方なくウチに運んだだけ。
あ、別に何もしてねーから」
わしゃわしゃと頭を拭きながら、あたしを見下ろしてくる。
なんか、こいつムカつく。
「そういや、お前のケータイすっげぇ鳴ってたけど?」
ハッとして、近くに置いてあったバッグの中を探る。
ケータイを開くと、メールと不在着信の嵐。
【ユウジ】が並んでいる。
「あー…めんどくさい…」
思わず呟くと、リュウは怪訝そうにあたしを見ていた。