HANDS

と思ったのに。

「あ、あれ?」

「なんだよ?もうちょっと感動しろよ」


眼下に広がったのは、綺麗な夜景だった。
車のヘッドライトが連なって、ネックレスのように伸びている。

「えー、キレー…」

と言ったところで、花火をした日のことを思い出した。
リュウがすぐに答えてくれたっけ。

って、なんでそれを思い出したんだ。



「あ、俺CDも借りてたっけ?」

山道を下りながら、カズヤが思い出したように言った。

「そうだよ!あたしアルバム貸したよね?
どこにあんの?」

ドアポケットとかCDが入ってそうなところを探してみたけど、見つからなかった。

「あれ、なかった?家にあんのかなー」
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