HANDS

「んじゃ、ちょっと家帰って探すわ」
「あーうん」


何ヶ月か前までは送り迎えしてもらったり、一緒にカラオケ行ったりしてたけど、
カズヤの家に入るのは初めてだった。


「あっちー」

部屋に入るなり、Tシャツを脱ぎ捨てるカズヤに驚いた。

「え、ちょっ…何脱いでんの」

「気にすんな。
ちょっとその辺探せよ」


上から目線がムカつく。
けど仕方なく、散らかった雑誌やマンガを片付けながらCDを探した。

暑さでムシムシしていた空気が、クーラーの風でようやく落ち着いて来た頃、

「レナ」
「え?…っきゃ!」
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