HANDS

家に帰ると即シャワー。
ゴシゴシ、肌が赤くなるほどこすって洗った。


キモチワルイ。



缶ビールを飲み始めた頃、窓の外が光った。

おー、雷キレー…。

轟音が鳴り響いて、大雨が降り始めた。


それでも構わず、一人ビールを飲み続けた。

ふわふわする。


ふっと電気が消えた。

停電……?

缶ビールが手から床へ滑り落ちて、ゴトンと音を立てた。
甘ったるい匂いが部屋に広がっていく。

あれ、ちょっとヤバいかも。


誰か。助けて。

誰か――……

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