HANDS
ぐずぐず泣いているアイコの隣に、無表情のリュウがいた。
さらにその後ろではコウタくんが、こっちを心配そうに見ている。
「お前が『助けて』って電話してきたからだろ」
え。電話なんかしたっけ。
ぼーっとしていると、アイコが鼻声で話しかけてくる。
「大丈夫なの?
リュウくんから電話あって、すごい焦って来たんだからぁ…」
「ごめん…平気だよ」
ちょっと頭がガンガンしてて、ちょっと吐き気がするけど。
多分、大丈夫。
「ったく。心配させんなよ」
リュウが目を合わさずに呟いた。