HANDS

「レナが倒れてるの見て、レナ!レナ!ってすごい呼んでたもん。

でも鍵が開いててほんと良かったよ~…。
ドアぶち破るわけにいかないしね」


嘘。
じゃあ、ずっと名前呼んでくれてたのはリュウだったの?

この前あんなに怒らせちゃったのに――。


てか、リュウにまともに名前呼ばれたのって初めてかも。


「ごめんね、心配かけて」

「全然謝ることないよぉ。ほんと生きてて良かった」

ベッドにへたり込んでいるあたしに、笑って答えてくれる。
またマスカラ落ちかけてるよ。


「やっぱリュウくんはレナのことが好きなんだねー」



は?
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