HANDS
街中の裏通り。
1階は美容室で、狭い階段を登った先にその店はあった。
「いらっしゃいませー。
って、お前らかよ」
Tシャツをたたんでいたリュウは、あたしたちの姿を見るなり、あからさまに嫌そうな表情を見せた。
「何それー。一応客なんですけどー」
「客っつっても、オンナが着るような服ねぇけど」
う、確かに。
Tシャツ、ジーンズ、スニーカー、キャップ…
ちょっとあたしたちが買う物じゃないかも。
店内をぐるっと見回すと、クラブとかイベントのフライヤーがたくさん置いてある。