HANDS

「あ?お前背ぇ伸びた?」


でも、リュウの顔は見上げる位置にある。

「伸びる訳ないじゃん。もう大人だよ?」

「この前は子どもって言ってたくせに」

ハハッと笑いながら、棚にあったキャップがあたしの頭に乗せられた。
アイコはニヤニヤしながら、こっちを見ている。


「うるさいなぁ。…っきゃ」

急にバランスを崩したところを、リュウが腕を掴んで助けてくれた。


「ほんと危ねぇな、お前は。
コケるんだからそんな靴履くなよ」

「い、いいじゃん、たまにはヒール履いたって」


「別にいいけど。コケんなよ」
< 132 / 192 >

この作品をシェア

pagetop