HANDS
「あ?お前背ぇ伸びた?」
でも、リュウの顔は見上げる位置にある。
「伸びる訳ないじゃん。もう大人だよ?」
「この前は子どもって言ってたくせに」
ハハッと笑いながら、棚にあったキャップがあたしの頭に乗せられた。
アイコはニヤニヤしながら、こっちを見ている。
「うるさいなぁ。…っきゃ」
急にバランスを崩したところを、リュウが腕を掴んで助けてくれた。
「ほんと危ねぇな、お前は。
コケるんだからそんな靴履くなよ」
「い、いいじゃん、たまにはヒール履いたって」
「別にいいけど。コケんなよ」