HANDS

あたしそんなにコケてるイメージがあるのかな。


「あ、お前それでバイク乗って来たんじゃねぇよな?」

「え?乗って来たよ。アイコは原付だし」

アイコのほうに目をやると、ハンガーにかかった服を見ていた手を止めて、うんうんとうなずいた。


「教習所で習わなかったのか?
ヒールで乗んなって」

「いや、習ったけど…。別にギアチェンジするわけでもないしー」

ギア車だったらちゃんとスニーカーで乗るけど、ビックスクーターは特に足使わないもん。

頬を膨らませて、目の前の鏡を見つめる。
あ、あたしキャップ似合うじゃーん。


嬉しげにキャップを被り直すあたしを横目に、やってらんねぇと呟きながら、リュウが溜め息をついた。
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