HANDS

「そんなに溜め息ついてたら、幸せが逃げちゃうよ?」

アイコがケラケラ笑いながら言った。

「クセなんだからしょうがねーじゃん。
てか、コイツが居ると、なんか溜め息出る」


あたしを指差して、リュウが面倒そうに言う。

失礼な!


幸せ逃しまくってしまえ!


「でもレナのことかなり心配してくれるじゃ~ん」

「はぁ?そうか?」

からかうように覗き込んで行くアイコを、あしらうように商品のディスプレイを直していくリュウ。


「照れてるんだね」
こそっとあたしに耳打ちしてくる。

いや、それは違うんじゃないかな。
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