HANDS


「なんか用?」

「うん、虎次郎に♪」

次の日の夜、久しぶりにリュウの部屋に行った。
連絡なしだったから、居なかったらどうしようかと思ったけど、居てくれてよかった。

嫌そうにしながらも、ちゃんと部屋に上げてくれたし。


「虎次郎~」
「にゃあああ」

久しぶりに来たあたしのことを覚えてくれてるのか、走り寄ってくる。

頭や首を撫でてあげると、嬉しそうにゴロゴロ言ってくれた。
綺麗な緑色の目を細めている。

「またプレゼント持って来たよ~♪」

バッグを漁っているあたしに、リュウが冷たく言い放つ。


「お前、貢ぐオンナ?」

< 135 / 192 >

この作品をシェア

pagetop