HANDS

そんな言葉は無視して、猫用のおもちゃを取り出した。

細い棒から伸びた紐の先に、白いふわふわした毛玉がついている。


それを見た瞬間、虎次郎の目が爛々と輝いた。

「ほれほれ~♪」

あたしが操る毛玉を嬉しそうに前足で捕まえて、はぐはぐ噛んでいる。

「ちょっと、思ったより力強いね」


なかなか毛玉を離してくれないので手こずっていると、リュウはバカにしたように笑ってからベッドに横になった。


虎次郎が転がりながらじゃれてくるので、あたしも床に寝転んで応戦した。
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