HANDS
ヤバい。
早くみんなのとこに戻らないと。
「そんな睨むなよ」
「や…っ!」
伸びてきた右手から身をよじると、グラスからメロンソーダがこぼれた。
「おい」
低い声が響いて、カズヤがゆっくりと振り返った。
不機嫌な表情のリュウが、こっちに歩いてくる。
「何してんだよレナ。遅ぇよ」
「え…あ、ごめん」
今、あたしのことレナって呼んだ?
リュウはカズヤを睨みつけると、メロンソーダを入れ直して、あたしにおしぼりを渡した。