HANDS
カズヤは何も言わないまま、あたしたちを凝視している。
びっくりしてるのかな。
いや、あたしもびっくりしてるんですけどね。
「腕。拭けよ」
「あ、うん」
リュウの言葉に、メロンソーダをかぶった腕を慌てて拭いていると、
「人のオンナにちょっかい出さねぇでくれる?」
リュウがカズヤに言い放った。
は!?
あたしが驚いて顔を上げるのと同時に、カズヤはくるりと方向を変えて去って行った。
「行くぞ」