HANDS
「は……」
リュウがドアを開けると、アイコの高い歌声が聞こえてきた。
ドアを押さえたまま『早く入れよ』と言わんばかりに、目で促してくる。
また無表情だし。
「もぉ~、遅かったじゃん。
ん、あれ?レナ顔赤くない?」
アイコはありがと、と言いながらリュウからグラスを受け取った。
「へっ、え?気のせいっしょ!?」
こんな、薄暗い部屋でも分かるぐらい?
やっぱ赤いの?
あたしの顔…。
なんか、熱いし。
リュウ、普通だ。
いつもと何も変わらない。