HANDS
ついに決心…!?
仕事が手につかないなんて。
自分に起こり得るとは思わなかった。
「レナちゃん。
どうしたの?今日…
値引き忘れ多すぎ」
バイトのリーダーは、溜め息混じりにあたしを見た。
「…すみません」
お惣菜に貼られた値引きシールをことごとく見逃して、
何人ものお客さんからクレームが入っていた。
「ぼんやりしてないでね。あと1時間だから」
「……はい」
こんなの、あたしのキャラじゃないって。
リュウに会いたい。
けど、どんな顔して会えばいいのか分からなくなった。