HANDS

お客さんも少なくなり、レジの前で突っ立ったまま、ぼんやりしていると、


「おい」

「へっ、は!?にゃっ」

今まさに、会いたいと思っていた人が、目の前に立っていた。


「にゃってなんだよ」

笑いながら、キャットフードを台に載せる。

ドキッていう心臓の音が、聞こえてしまうんじゃないかっていうぐらい大きく響いた。

あー、なんか恥ずかしい!!


「い、いらっしゃいませ…」

うわずってしまう言葉を気にすることなく、リュウは財布を開く。



「あ、お前、今度いつ来る?」

「…え?」




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