HANDS

笑っていたリュウは、急に真面目な顔になって、あたしの頬に手を伸ばした。

「なんか顔赤くね?」


「えっ、そ・そうかな!?
クーラー効いてないからっ!?」

もーーー。
なんで今日はこんなにお客さん少ないの?


リュウがなかなか帰らないじゃん。

いや、帰ってほしいわけじゃないけど。でも。


「は?充分涼しいけど」

う、またそのバカにしたような顔。


「とりあえず!また連絡するから」

少しだけ声を大きくして、レジ袋を押し付けた。

「ん」


連絡するのに、すごい勇気がいるかもしれないなー。

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