HANDS

なんて、言ったの?

「なんか分かんないけど…意識ないっぽい…」


なんで。

事故?
――じゃないよね。いつもあんなに安全運転じゃん。

病気?
どうしたの?
なんで?

頭の中を色んな疑問がぐるぐる回っていく。


「……どこの病院?」

やっと絞り出した言葉に、不安そうな表情のアイコがゆっくり答える。

「中央びょ――」


その答えを最後まで聞くことなく、あたしは立ち上がり、カフェを飛び出した。


「レナ!気をつけて…!」

背中にアイコの声を感じながら。
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