HANDS
けたたましくサイレンを鳴らしながら、救急車が滑り込んで来た。
何人かの看護士が走ってきて、頭から血を流した人を運んで行く。
もしかして、リュウも……?
血の気が引いていくのが分かった。
足がガクガク震えてくる。
……どこに居るんだろう。
フラフラ歩いて行くと、待合室には熱を出しているのかぐったりしている子どもとその親や、長椅子に横になっているお年寄り。
せっかくここまで急いで来たのに、どうすればいいか分からなくて、立ち尽くしてしまった。
「もしかして、レナちゃん?」
あたしは驚いて、後ろを振り返った。