HANDS
「あ、バレちゃった?
だってリュウくんのケータイに電話かかってきたからさー」
ペロッと舌を出すと、レイコさんは笑った。
いや、笑い事じゃないんですけど。
あたしがどれだけ心配したと――。
足の力が抜けて、崩れ落ちそうになったところを、また支えられた。
ほんといつも助けてくれる。
その腕。
「大丈夫かよ」
「うん、ごめ…なんか気抜けちゃって…」
ほとんど抱きしめられているみたいな格好で、ちょっと恥ずかしいんですけど。
さっきまで多分青ざめていたと思う顔が、どんどん熱くなっていく。
「さ。リュウくん大丈夫そうだし、早く帰りましょ」
「あ、車置きっぱなしなんで店まで乗せてってもらえます?」