HANDS
「ただいま」
「おかえりー」
ドアを開けたリュウの言葉に反射的に答えてしまったけど、よく考えたらなんか恥ずかしいぞ!
顔が熱くなっていくあたしに構わず、リュウは抑揚のない声で言った。
「あれ、メシは?」
「作ってないよー。材料ないもん」
リュウは立ったままだから、あたしは見下ろされている。
うう…なんか怖いよー。
「お前なんで飲んでるんだよ」
手からビールの缶が取り上げられた。
「いいじゃん別に。飲みたくもなるよ。
すっごい心配したのに、騙されてただけだし。
誰なの?あの人」