HANDS

「黙れって」

ひどいこと言ってるのに、優しく触れる手。
そして唇。


今までのオトコとは、なんとも思わなかったのに、相手が好きな人だとこんなに気持ちいいんだね。

「ね、虎が見てるよ?」
「関係ねぇよ」



最初は、嫌なヤツだと思ってた。

でも、ほんとは優しくて。
あたしのことを守ってくれてたんだね。

オトコなんて面倒臭いと思ってたあたしが、ちゃんと人を好きになれるなんて。



ありがとう。

照れくさくて、好きってなかなか言えないけど。
ずっと、そのドラゴン模様の腕で、抱きしめていてね。




【END】
< 190 / 192 >

この作品をシェア

pagetop