HANDS
「黙れって」
ひどいこと言ってるのに、優しく触れる手。
そして唇。
今までのオトコとは、なんとも思わなかったのに、相手が好きな人だとこんなに気持ちいいんだね。
「ね、虎が見てるよ?」
「関係ねぇよ」
最初は、嫌なヤツだと思ってた。
でも、ほんとは優しくて。
あたしのことを守ってくれてたんだね。
オトコなんて面倒臭いと思ってたあたしが、ちゃんと人を好きになれるなんて。
ありがとう。
照れくさくて、好きってなかなか言えないけど。
ずっと、そのドラゴン模様の腕で、抱きしめていてね。
【END】