HANDS
ガチャ。
目の前のドアが開いて、ジーンズを履いた上半身裸のオトコが現れた。
「……!?」
水が滴る短い髪をタオルで拭きながら、
「ああ、起きた?」
と無表情で言った。
あたしに擦り寄っていた猫が、嬉しそうにそのオトコの足元に駆けて行く。
「え…と?」
状況が飲み込めずに、目を泳がせながらそのオトコを見つめる。
健康的な肌色に、凛々しい眉毛で綺麗な奥二重。
うっすらと腹筋のラインが見える引き締まったカラダ。
逞しい右腕にトライバルのタトゥーを確認したところで、
思い出した。