HANDS
「ユウジと遊ぶ予定だったような気もする~…」
「なんだデートか。じゃあしょうがないね。
コウタくんと2人で遊んでくるね」
いや、そっちのがアイコは好都合でしょ?
って言うのもダルかったので、そのまま眠りの中へ。
あー。
なんかムカつく。
スーパーの裏口から入ってタイムカードを押すと、ユウジが通路を塞ぐように立っていた。
「あ、お疲れ様でーす…」
「何それ。
俺めっちゃ心配してたのに」
だから、頼んでないってば。
イライラする心の中を、表情に出さないように意識して口元に力を入れる。
「ごめんね。
てか…あたし着替えてくるから退いてくれる?」
バイト仲間やパートのおばちゃんに見られたら困る。
不満そうなユウジを残して、更衣室へ向かった。