HANDS

真っ暗な部屋があたしを待っている。

大学に入るまでは一人暮らしに憧れてたけど、
いざ始めてみると寂しいかも…。


電気とテレビをつけて、食事の準備をしているとインターホンが鳴った。

ドアを開けると、ユウジが子犬がじゃれるように転がり込んで来た。


「お疲れ。
今日のご飯は何~?」

実家なんだから家で食べろよ、と思うけど、
付き合い初めからこんな感じだから仕方ないか。

「オムライス」

「おぉ、いいね~♪」


当たり前のようにベッドに座って、テレビのチャンネルを変えている。
いつものことなのに苛立つ。

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