HANDS
オムライスを食べ終えて、食器を片付けていると、
背後からユウジに抱きしめられた。
「ちょっと。
洗い物するから離れて」
「やだ」
は?やだ?
なんでだよー。
「今日、店で話してたオトコ、誰?」
怒りを含んだ声に、不覚にも一瞬カラダが震える。
「え?ああ…
一緒のライブに行ってた人だよ」
「ほんとに?」
ええ、それはほんとです。
その人の部屋で寝てたってことは言わないけど。
「ほんとだよ。なんなの?」
言わんとしていることは分かるけど。
回りくどいのは鬱陶しい。
「心配なんだよ…」