HANDS
怒っているのか悲しいのか、よく分からない眼であたしを見つめてくる。
「あの人は関係ないよ。
ただ…もう付き合っていく自信がない。
ごめん……」
「俺なんか悪いとこあったら直すから…」
「ごめん」
ユウジの言葉を遮って、視線を逸らした。
こんなことがあるから、付き合うって面倒。
こんな気持ち、説明できない。
謝るしか、術がない。
「ごめんね」
ユウジを早く部屋から出したくて、勝手に別れの言葉を告げていく。
「今までありがと――」
「俺のことなんか、最初から好きじゃなかったんだな……」
吐き捨てるように言って、ユウジは部屋を出て行った。
好きじゃ、なかったのかな?