HANDS
雨上がり
「また別れたのぉ?」
階段教室で、アイコは呆れたように声を上げた。
「だってなんか鬱陶しくなっちゃって……」
「ひっどぉー。
もう何人目?
そんなになるんなら、最初から付き合わなきゃいいじゃん。
相手が可哀想だよ」
何人目だろ…。
多分5人にはなってないはず。
何故か2~3ヶ月しか続かないんだよね。
「……はい」
正論だから何も言い返せない。
「大体レナって、ちゃんと相手のこと好きになったことあるの?」
「さぁ…よく分かんない。
でも嫌いじゃないんだよ?」
アイコはますます呆れた表情で、ため息をついた。
「いや、嫌いじゃないのは当たり前でしょ」
そっか。確かに。