HANDS

「そうかなー?
実は優しいのかもよ?

ちゃんとレナを介抱してくれたんだし。

猫飼ってるんなら、なおさら優しいと思うなぁー」


家に猫が居るからって、優しいかどうかは分からないと思うけど。

「さあねー」

適当にはぐらかすと同時に、チャイムが鳴って授業が始まった。


どんどん黒い字で埋まっていくホワイトボード。
ふと窓の外を見ると、雨が降り始めていた。

あー、面倒臭い。
帰るまでには止むかな。


まぁ、家まで歩いて5分もかからないけど。


隣を見ると、アイコはケータイでメールをしている。

あたしは…メールする相手が居ないなぁ…。


今日はバイト休みだから、家で一人か。


やっぱ、寂しい。


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