HANDS

アイコが助手席に乗ったので、当然リュウがあたしの隣に座った。


コウタくんが窓をすかしてタバコを吸い始めた。
白い煙が少しだけあたしのほうに流れてくる。

あー。煙い。


気を紛らわすために何か話さないと。

「そう言えば、コウタくんたちっていくつなの?」

あたしたちより年上なのは間違いないけど。

「俺らー?23だっけ?
なんか、ハタチ過ぎてから自分の年がよく分かんなくなる」

「はは。なんじゃそりゃ。
自分の年くらい覚えてろよ」

リュウが笑った。


「アイコちゃんとレナちゃんはハタチだよね?」

「あ、あたしまだ19だよー」

一瞬、リュウの笑顔を見つめてしまったけど、コウタくんの声に前を向く。

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