HANDS
「ごめんねぇ。あたし下手で…」
アイコが上目遣いでコウタくんを見ている。
この子はオトコ心掴むのが上手そうだなぁ…。
でもなんとなく、リュウには通用しない感じ。
「まぁ俺の指導のお陰だな」
「そうだね、ありがと」
リュウの言葉に、あたしは素直にお礼を言った。
そんなこと言うなんて思ってなかったみたいで、ちょっと驚いた顔をしていたけど。
「どうするー?
もうとっくに12時回ってるし、そろそろ解散?」
コウタくんがゴツい腕時計を見ながら言った。
「そうだな。
お前らは休みだろうけど、俺は仕事あるし」