HANDS

そんなあたしたちのやりとりを、アイコとコウタくんがニヤニヤしながら見ていた。

「プレゼントって何ー?」

同級生をからかう小学生みたいな2人に、あたしは冷静に答える。

「てか、虎次郎にだから。
リュウには何もないから」

「なるほどー。
虎次郎がキューピッドってことかぁ」

いい加減にしてくれ。
コウタくん、殴っていいですか?


そんな想いが伝わったのか、ドラゴン模様の右腕がコウタくんの肩を軽く殴った。

「うっせーよ、お前ら」

「リュウくん怖~い」

それでも相変わらずからかい続けるコウタくんは、結構図太いらしい。

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