HANDS
「ありがとー。すごい楽しかった!
また遊んでね~♪」
マンションの前で車を降りると、3人に手を振った。
「うん、おやすみー」
「お疲れー」
コウタくんとアイコの声しか聞こえてこなかった。
ほんと愛想無いな、リュウは。
ドアを開けると、真っ暗で静かな部屋。
さっきまで賑やかだったから、余計に寂しく感じてしまう。
すぐにテレビをつける。
なんか音楽番組が映っている。
別に見たいわけじゃないけど、音がないとダメなんだ。
「あ、このバンド……」
この前のライブを思い出す。
楽しかったなー。
コケたけど。