HANDS
暑さと闘いつつ、バイトと授業を適度にこなしていく日々。
やっとレポート提出完了。
そして、テスト地獄も数分前に終了。
「終わったー!夏休みだー!」
隣の席でアイコが大きく伸びをした。
あたしは首を鳴らしてから、ケータイを手にしてメールを打った。
【今日の夜ヒマ?
虎次郎にあげるプレゼント持って行きたいんだけど】
リュウとはあれ以来会ってなくて、当然首輪も渡せてなかった。
アイコはコウタくんと遊びまくってたみたいだけど。
【10時以降なら】
ものすごく簡潔なメールが返ってきた。
まぁ、絵文字とか似合わないけど。
【じゃあそれぐらいに行くから。
ちゃんと家に居てよね】
「リュウくんとデートぉ?」
いつの間にかケータイの画面を覗いていたアイコが、ニヤニヤしている。
「は!?違うし。
勝手に見ないでよー」