HANDS

だって虎次郎イケメンにゃんこなんだもん。

体はちょっと大きいけど、スリムだし。
目はクリクリだし。
でもちょっと眠たいらしく、目をしばしばさせている。

「ねえ、上がってもいい?」


入り口を塞ぐように立ったまま動かないリュウを
上目遣いで見た。

「ああ。
お前バイク停めれた?」

「ん?無理矢理置いてきたよ」

肩に虎次郎の頭を乗せて、興味なさそうに部屋の中へ入っていくリュウ。

「あ、あたしシールドつきのヘルメット買ったんだよ。
今日もハーフパンツじゃなくて、ちゃんとしたデニムはいて来たし。

偉いでしょ」

得意気に言ったのに、

「当然だろ」
一刀両断。

ああ、こういうヤツでした。

< 57 / 192 >

この作品をシェア

pagetop