HANDS
「んで、何持ってきたわけ?」
虎次郎をベッドに下ろしてあたしの手元を指差す。
クーラーのせいで寒いのか、虎次郎はくるんと丸くなった。
「ジュース。コーラで良かった?
あと…」
ピンクの袋を広げて、首輪を取り出す。
「これ、虎次郎に。
めちゃくちゃ似合いそうじゃない?」
どうせまた、興味なさそうに流されるんだろうなーと思っていたのに。
「お、カッコいいじゃん。
お前結構分かってんな」
あたしの手から首輪を奪い取り、興味深そうに眺めている。
ちょっと、拍子抜け。
「よし、虎、起きろ。
カッコいい首輪もらったぞー」
しかも虎次郎に話しかける口調が、あたしに対するそれと全然違う。