HANDS
虎次郎は鬱陶しそうにしっぽをぱたぱた動かしているだけ。
でもリュウは強引に、でも優しく首輪をつけた。
「良かったなー」
それでも眠り続けようとしている虎次郎の頭を
優しく撫でていた。
「ありがとな」
ドラゴン模様の腕が、あたしの方に伸びてきて、
温かい手のひらが頭に触れた。
「あ……うん」
驚いて、思わず目を逸らしてしまった。
そして目に付いたのは、吸い終わったタバコが2~3本入った灰皿。
「そう言えば、リュウってあんまりタバコ吸わないの?
ボウリングのとき全然吸ってなかったよね?」
コウタくんは大量に吸ってたけど。
お陰で、髪も服もすごい臭いになった。