HANDS

「俺とお前が話してたとき、すげぇ睨んでたし」

そう言えば、見られてたみたいだった。
ユウジのことなんて、すっかり忘れてた。

こんなだから、アイコにも“ひっどぉ~”って言われるんだね。


「そうなんだ、気づかなかった。
なんかアイツ束縛ひどくて。面倒になったんだよねー」

ピク、とリュウの眉が動いた。
あ、あたしなんかマズイこと言ったのかな。


「お前はヤキモチ妬いたりしねえの?」

「んー…あんまりしないな。
てか、よく分かんない。

え、じゃあリュウは妬いたりするの?」

あたしの質問にも、相変わらずニュースの画面を見つめたまま。
リュウが妬くなんて、想像できないな。


「そりゃあ…

好きなオンナが居れば、妬いたりもするだろ」


< 63 / 192 >

この作品をシェア

pagetop