HANDS

「妬くんだ!?意外~!!」
ギャハハ、と興奮して笑い転げるあたしに、冷たい視線が送られている。


ひとしきり笑ってから、大事なことを思い出した。

「あれ、そう言えば今オンナ居るんだっけ?」


「いねーよ。
オンナ居たらお前なんか部屋に入れてねぇし」

確かに。
って、“お前なんか”って酷くない?

悔しいから、ちょっと追求してみたくなった。

「じゃあさ、好きなオンナは?」

「は?」

「ねえ、居るのー?居ないのー?」

虎次郎の前足を持って、リュウの手を軽く叩く。


「――…

なんでお前にそんなこと言わなきゃいけねぇんだよ」

あれ、なんか。

何?今の表情…。
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