HANDS
「手伝って?」
「ええ~~~」
大げさに嫌がって見せると、アイコは拗ねたように口を尖らせて言った。
「せっかく明日の夜、いいとこ連れてってあげようと思ったのにぃ」
とか言って、ほんとにいいとこなのかなー?
「何よー、いいとこって?
――よし、完成♪」
バケツの水に筆を入れて、ぐるぐるかき混ぜた。
透明だった水が、青色の綺麗な螺旋を描きながら暗い紺色に変わっていく。
「ふふ、秘密ー♪
ね、お願い。明日1日、コレ手伝って?」
1日中…ですか?
確かに明日は暇だけど。
もったいぶらずに教えてくれればいいのに。
「分かったよ。
明日何時に来ればいい?」
「んー…お昼前ぐらい?」