HANDS
――次の日。
Aランチをおごってもらってから、教室へ。
「暑いよぉ~。早くクーラー入れてー…」
大きな机に突っ伏していると、アイコがスイッチを入れた。
冷たい風が髪の毛を揺らす。
「早いとこ仕上げちゃおー♪」
カタン、と音がして、キャンバスが机の上に乗せられた。
そしてあたしに筆が渡され、バケツに水が入れられる。
「んー…なかなか時間かかりそうだね」
水色の絵の具で細かい部分を集中して塗っていると、カチカチ音が聞こえた。
「何してんの」
顔を上げると、アイコはケータイを片手に真剣な表情。
メールしてる場合じゃないでしょ。
「あ、ごめんごめん。
ついコウタくんにメールを……
今日の夜のことで、あ」