HANDS
苦笑いしてから外に目をやると、コウタくんがこっちに戻って来ていた。
ケータイを片手に、ドアを開けた。
「リュウももうすぐ着くってさ。
どうする?海のほう行く?」
「蚊に刺されそうだし、もうちょっと中に居ようよ~」
アイコが言うと、コウタくんは素直に運転席に座った。
何気に尻に敷かれてるのかな。
しばらくすると、ルームミラーに眩しい光が反射した。
振り返って見ると、車のヘッドライト。
「お、来たかな~」
隣にパールホワイトのサーフが停まった。
いつものようにダルそうにリュウが降りてくるのを確認して、あたしたちも外に出た。
「お前ら、それ買いすぎだろ」
リュウは白いスーパーの袋を指差して、呆れた声を出した。
「え、そぉ?みんなでいっぱいできるじゃん♪
あ、リュウくんのジュースないよ!ごめん、買い忘れちゃった!」