HANDS
あっけらかんと言うアイコに、ますます呆れた表情を浮かべている。
「別にいいけど」
あたしの手から袋を奪って、海に向かって歩いて行く。
ジュースとお酒が入ってる一番重い袋。
なんか、さりげなく優しいっぽいとこがムカつく。
「今日は仕事休みじゃなかったのかよ?」
「あ?ちょっと地元帰ってた」
前を行くオトコ2人の会話に、アイコが割り込んでいく。
「リュウくんの地元ってドコなの?」
それに対して、隣の県の地名をボソッと言うのが聞こえる。
「ふ~ん。じゃあ、長距離ドライブだったんだね。
疲れてるとこごめんねぇ」
アイコが言うと、ほんとに謝ってるように聞こえないのはなんでだろう。
そんなことを考えながら、ふと見上げると、
驚くほど綺麗な星空が広がっていた。
「きれー……」
「そうだな」
思わず呟いた言葉に、すぐリュウが答えてくれるとは思わなかったから更に驚いた。