HANDS
「レナ転んでた!?大丈夫!?」
ライブ終了後、ライブハウスの外でアイコが大げさに聞いてくる。
「ん?大丈夫だよ。
ちょっと腰打ったけど。
誰か起こしてくれたんだけど、どの人か分かんないわ」
キョロキョロしながらさっきの腕を捜してみたけど見つからない。
なかなか目立つはずなんだけどなぁ…。
「そうなの?じゃあしょうがないじゃん。
とりあえずゴハン行こうよ~」
「うん、まぁアイコは顔直したほうがいいよ?
マスカラすっごい落ちてる」
アイコは原付のミラーを見て、ギャーとか叫びながらポーチを漁っていた。
あたしも適当にメイクを直して居酒屋へ向かう。
「あー、まじカッコ良かったぁ~。
抱かれてもいいわ~」
うっとりしているアイコに、うんうんと頷く。
「確かに。
最初はナメてたけど、カッコ良かった」
「ナメてたの!?酷い!」