HANDS

「レナ転んでた!?大丈夫!?」

ライブ終了後、ライブハウスの外でアイコが大げさに聞いてくる。

「ん?大丈夫だよ。
ちょっと腰打ったけど。

誰か起こしてくれたんだけど、どの人か分かんないわ」

キョロキョロしながらさっきの腕を捜してみたけど見つからない。
なかなか目立つはずなんだけどなぁ…。


「そうなの?じゃあしょうがないじゃん。
とりあえずゴハン行こうよ~」

「うん、まぁアイコは顔直したほうがいいよ?
マスカラすっごい落ちてる」

アイコは原付のミラーを見て、ギャーとか叫びながらポーチを漁っていた。

あたしも適当にメイクを直して居酒屋へ向かう。



「あー、まじカッコ良かったぁ~。
抱かれてもいいわ~」

うっとりしているアイコに、うんうんと頷く。

「確かに。
最初はナメてたけど、カッコ良かった」

「ナメてたの!?酷い!」




< 8 / 192 >

この作品をシェア

pagetop