HANDS

キャーキャー言いながら食事を済ませて、今度はショットバーに行くことに。
薄暗い店内に客はオトコ2人だけ。

あたしたちはカウンターに座ってカクテルを注文した。

カシューナッツをつまんでいると、奥のソファから1人が立ち上がって近づいて来た。


「ねえ、さっきライブ行ってなかった?」

見るからにチャラそう。
髪は金に近いし、何よりもその、尖った靴は勘弁してください。

でも多分、アイコはこういうオトコが好きなんだろうなぁ…。

「行ってましたよぉ♪」

やっぱり。
嬉しそうに話してるわ。


呆れながらカシスオレンジを飲んでいると、そのオトコが

「リュウもこっち来いよ」

ともう1人を呼びながら、アイコの隣に座った。


呼ばれた男は、渋々といった感じで立ち上がり近づいてきた。


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