HANDS


いや、ちょっと待て。

あたし、なんでカレシでもないオトコの家でシャワー浴びてんの。


ヤバいよね。
ちょっと緊張してきた。

でもライブの日にも何もされてなかったしなー。


色々と考えながら、ぶかぶかのTシャツとジャージを着て部屋に戻ると、

「寝てる…」


ゆっくり深呼吸して、寝顔を見つめる。
そう言えば、里帰りしてたんだっけ。
運転で疲れてたんだろうな。

虎次郎はクッションの上でせっせと毛づくろいをしていた。


「虎~。あたしベッドで寝ていいのかなぁ?」

リュウはベッドの端っこに横になっている。
あたしのためにスペース空けてくれてる…のかな?

「にゃーあ」

ちょっとタイミングがズレてるけど、虎次郎が答えてくれたので、電気を消してゆっくりベッドに横になった。

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