HANDS
ん…重い…。
目を開けると、すぐそこにオトコの顔。
「――!」
一瞬驚いたけど、そう言えばあたしリュウのベッドで一緒に寝てたんだっけ。
重いのはリュウの右腕だった。
ちょうどお腹の上辺りに乗っている。
と言うよりは、抱かれて寝てるみたいな格好。
そこから逃れようとすると、わずかにリュウの寝息が乱れた。
「ん……」
うわ、ちょっとドキッとしてしまった自分が恥ずかしい。
「……くな…」
「え?何?」
寝言に話しかけちゃダメなんだっけ?
「行くな…ユリ……」
小さな声だったけど、確かにそう聞こえた。
ユリ?
ってダレだよ。