HANDS
台風接近中

「掲示板見た?
補講の日とか貼られてたよー」

ゴテゴテにデコられた鏡から目を離さずに、アイコが言った。

「んあ?補講?あたしには関係ないなー」
「え?あたしだけ?」

一応あたしはちゃんとテスト勉強したしね。

驚いて顔を上げたアイコににっこり微笑んであげた。


「アイコはサボりすぎなんだよ~。
明日が最終日なんだし、ちゃんと来なさい」

ほんとに。保護者みたいな気分になる。

「そういえば、リュウくんとはどうなった?」

ルーズリーフを取り出していると、思い出したように聞かれた。


「どうって…。
泊めてもらったけど、別にどうもなってないよ」
< 95 / 192 >

この作品をシェア

pagetop