HANDS
台風接近中
「掲示板見た?
補講の日とか貼られてたよー」
ゴテゴテにデコられた鏡から目を離さずに、アイコが言った。
「んあ?補講?あたしには関係ないなー」
「え?あたしだけ?」
一応あたしはちゃんとテスト勉強したしね。
驚いて顔を上げたアイコににっこり微笑んであげた。
「アイコはサボりすぎなんだよ~。
明日が最終日なんだし、ちゃんと来なさい」
ほんとに。保護者みたいな気分になる。
「そういえば、リュウくんとはどうなった?」
ルーズリーフを取り出していると、思い出したように聞かれた。
「どうって…。
泊めてもらったけど、別にどうもなってないよ」